(原題)What Works: Gender Equality by Design | Iris Bohnet 著 | Harvard University Press | 2016/03 | 400p
はじめに 〈行動設計〉はなぜ有効か
1.無意識のバイアス
2.バイアスを取り除くのは難しい
3.女性が自己主張できない理由
4.支援プログラムの限界
5.データを活用する
6.評価方法を改善する
7.募集のしかたを改善する
8.リスクを調整する
9.対等に競い合える環境をつくる
10.ロールモデルをつくる
11.チームをつくる
12.規範をつくる
13.透明性を高める
おわりに 変革を設計する
【要旨】男女の機会均等が叫ばれて久しい。日本では政府の「女性活躍」推進の方針もあり取り組みが進められているものの、企業における女性役員の比率の低さなど解決すべき課題は多い。米国でも同様の問題は指摘されており、男女の昇進や賃金の格差といったジェンダーによる不平等は十分に解消されているとは言い難いようだ。本書では、ジェンダー問題の根底に、人々が無意識にもっているバイアス(偏見)やステレオタイプ(固定観念)があることを重視。そのことを大学における研究などから明らかにするとともに、解決策を提案している。研修などで一人ひとりの意識を変えようとするよりも、人々が好ましい行動を取りやすい環境づくり、仕組みづくり(行動設計)が有効であるとする。著者はハーバード大学ケネディ行政大学院教授を務める行動経済学者で、同校「女性と公共政策プログラム」のディレクターを務めている。なお、本書はFinancial Times誌の「2016 FT business book award」のノミネート6作品の一つであり、2017年秋にNTT出版より邦訳(池村千秋訳)の刊行が予定されている。
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