井上 史雄 著 | NHK出版(NHK出版新書) | 240p | 780円(税別)

序.敬語の大事さと難しさ
1.尊敬語を使いすぎる傾向
2.謙譲語の使いにくさ
3.丁寧語の細分化
4.「いただく」の広がり
5.マニュアル敬語の経済効率
6.敬語の成人後採用
7.長く話すベテラン層 -岡崎の文の長さ増大-
8.丁寧に話すベテラン層 -岡崎の丁寧さ増大-
9.敬語分類の再編
10.敬語の「乱れ」は変化の先駆け

【要旨】日本語の敬語は、人間関係、とくに上下関係を円滑にするものとして発展してきた。近年は「~でよろしかったでしょうか」など「誤用」とされる敬語が、教養のなさを表すものとして苦言を呈されたり、嘲りの対象になったりもする。本書の著者は、敬語は時代とともに変化するものであり、成長過程で必要に応じて身につけていくものだとして、人間関係に支障をきたすものでなければ殊更にあげつらうことはないとしている。本書では、文化庁が毎年行う『国語に関する世論調査』をはじめとする複数の調査結果をもとに、敬語とそれに対する世代ごとの見方の違い、敬語の身につけ方などについて所見を述べている。敬語は上下関係によって使い分けるものから、その場の相手への配慮のために使うものに変化しているという。著者は東京外国語大学名誉教授で、社会言語学、方言学を専門としている。

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