ダグ・デッター/ステファン・フォルスター 著 | 小坂 恵理 | 東洋経済新報社 | 344p | 2,800円(税別)

1.パブリック・ウェルスの可能性
2.恩を仇で返すな:おそまつなガバナンスのコスト
3.公共企業体のおそまつなガバナンスは経済や政治を崩壊させる
4.パブリック・ウェルスの規模と可能性
5.政治家は金儲けに走らず、消費者を擁護しなければならない
6.パブリック・ウェルスのガバナンス改革に取り組んだパイオニアたち
7.スウェーデンのパイオニアたち:積極的なガバナンスから「放任の」ガバナンスへの変遷
8.「政府が株主でも」独立性の高いガバナンス:シンガポールのイノベーター
9.貨幣価値への換算は民主主義の発達と産出高の改善につながる
10.ナショナル・ウェルス・ファンドへ
11.価値を創造するための戦略
12.未来のナショナル・ウェルス・ファンドへの教訓
13.誰もがいま道路を建設したがるが、その余裕はあるのだろうか
14.腐敗を脱し、公益のためのガバナンスへ

【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

GDPの200%を上回るとされる日本の公的債務、いわゆる「国の借金」と国債への過度の依存はしばしば問題視される。だが、日本をはじめ大半の国家が実は多大な資産を有していることが注目されることは多くない。パブリック・ウェルスと呼ばれるそうした資産とは、具体的には国が保有する不動産やインフラ、公共施設、国有企業などを指す。ところが国有地の払い下げ問題をみてもわかるように、これらの資産は利益が上がるよう適切に運用されているとは言い難い。本書では、こうした現状を指摘するとともに、国の資産の運用を政府ではなく専門家に任せるべきと主張。ナショナル・ウェルス・ファンドと呼ぶ仕組みのもと専門家が適切に運用すれば、財政問題をはじめとするさまざまな問題が解決に向かうという。著者のダグ・デッター氏はヨーロッパとアジアの投資家のアドバイザーとして活躍。ステファン・フォルスター氏はスウェーデン、ストックホルムのシンクタンク、リフォーム・インスティテュートのマネージング・ディレクター。

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