『南極の氷に何が起きているか』
-気候変動と氷床の科学
杉山 慎 著 | 中央公論新社(中公新書) | 216p | 946円(税込)


1.「地球最大の氷」の実像
2.南極の氷の変化をどう知るか
3.崩壊する棚氷、加速する氷河
4.南極の異変は私たちに何をもたらすか
5.気候変動と地球の未来
終.そして、私たちは何をすべきか


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

地球温暖化によって南極の氷が融けて海面が上昇し、陸地の一部が海に沈むというリスクは、以前から多くの人に信じられている。一方で今後は南極での積雪が増えて氷が厚くなるので、むしろ海面上昇を抑える、という説もある。
実際、南極で何が起きているのか。そして将来どんなことが起こりうるのだろうか。

本書では、最新の観測データや研究成果をもとに、近年、南極大陸を覆う厚い氷(氷床)に起きている「急激な変化」とその原因、地球環境への影響など、現在明らかになっている事実や推測を詳しく解説。
IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)の報告では、南極の氷が失われ、それが原因となり今世紀末までに2メートル海面が上昇する可能性も示されている。直近の研究によると、南極の氷が失われるのは温暖化で氷の表面が融けるからではなく、海に流出する氷の量の増加が原因なのだという。

著者は北海道大学低温科学研究所教授。博士(地球環境科学)。信越化学工業で光通信用デバイスの研究開発に従事した後、青年海外協力隊に参加。その後、スイス連邦工科大学研究員等を経て現職。南極や北極グリーンランド、パタゴニアをはじめとする氷床・氷河の大規模調査を主導。


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