『五代友厚』
-渋沢栄一と並び称される大阪の経済人
橘木 俊詔 著 | 平凡社(平凡社新書) | 224p | 1,034円(税込)


序.友厚の幼青年期とは
1.長崎海軍伝習所と薩英戦争
2.薩摩藩の英国使節団
3.幕末から明治期――役人・民間経済人として
4.働き盛りを迎えた明治10年代
5.五代友厚と渋沢栄一


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

「日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一に対し、「大阪経済の父」とも呼ばれるのが五代友厚だ。大阪商法会議所(のちの商工会議所)設立、大阪市立大学創設に関与、鉱山開発や精錬、港湾事業、鉄道事業など大阪を中心に多くの事業を手掛けた。
しかし、その功績や人物像は渋沢ほど広くは知られていない。

本書は、薩摩藩の上級藩士の家柄に生まれ、藩の役人、明治政府の官吏を経て民間経済人となり、大阪経済を築いた五代の生涯を、多くの先行研究や資料をもとにたどっている。
五代は幕府が開設した長崎海軍伝習所で西洋の文明に接した後、藩の下で外国商会と取引をする中で商工業への関心を高めたようだ。官職を辞し、株式取引所や商工会議所の開業、多くの事業を興すなど渋沢との共通項が多い一方、金融を重視した渋沢に対して実業を重視するなど、本書では相違点も指摘している。

著者は京都大学名誉教授。1943年兵庫県生まれ。小樽商科大学卒業。大阪大学大学院を経て、ジョンズ・ホプキンス大学大学院博士課程修了。京都大学大学院経済学研究科教授、同志社大学経済学部教授等を歴任。著書に『格差社会』『渋沢栄一』『津田梅子』などがある。


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