『エネルギー・キングダム 湾岸諸国における「石油」と「政治」』
Energy Kingdoms: Oil and Political Survival in the Persian Gulf
Jim Krane 著 | Columbia University Press | 224p


1.石油が見つかるまで
2.石油時代の到来
3.莫大なリターン
4.エネルギー貧困国からエネルギー過剰消費国へ
5.異常なまでの涼しさ
6.深刻な問題を抱える
7.先駆者はイランとドバイ
8.サウジアラビアの変節
9.改革を目指す政治
結論 気候変動のリスクヘッジ


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

サウジアラビア、クウェート、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)などのペルシア湾岸諸国は、石油の産出国として莫大な利潤を手にしてきた。蓄積した富を元に国民への給付を充実させ、一極集中の権力構造を安定させる「レンティア国家」でもある。
だが近年、そうした国家運営が行き詰まる傾向にあるという。

米国で刊行された未邦訳の本書では、湾岸諸国が歩んできた歴史を辿りながら、全世界に気候変動への対策が求められている昨今、「エネルギー王国」からの転換が求められる各国の課題を伝えている。
湾岸の産油国は、石油という自然の恵みから莫大な利潤(レント)を得て、エネルギー補助金の名目で国民へ利益をもたらしてきた。その慣習が国民の過剰なエネルギー消費につながり、輸出すべきエネルギーまでも使い果たしてしまうという、自らの首を絞める事態になっているようだ。

著者は実際に中東に4年半居住した後、ケンブリッジ大学で博士号を取得。現在は、米国テキサス州のライス大学で中東エネルギー政策を中心に研究活動を行っている。


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