『SNAPがアメリカを救う』
-フードスタンプの是非をめぐる政治的攻防の歴史
Why SNAP Works: A Political History―and Defense―of the Food Stamp Program
Christopher Bosso 著 | University of California Press | 280p


1.不足と過剰の交差点で語られること
2.「内需促進のために」
3.パラドックス再び
4.農業プログラム+食料プログラム
5.福祉政策
6.今こそフードスタンププランを讃えよう


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

米国の社会保障政策の一つに、低所得世帯向けの補助的栄養支援プログラム(Supplemental Nutrition Assistance Program: SNAP)がある。2021年に約4100万人余が利用しており、米国民の約8人に1人が受給、約2人に1人は生涯で一度は受給していると言われる大規模な制度だ。
どんな仕組みや意義をもつのか。

米国で刊行された未邦訳の本書では、SNAPの仕組みや誕生のいきさつ、これまでの歩みを解説。前身であるフードスタンププランからその歴史をひも解くとともに、SNAPが有する政治的な背景や社会的意義を明らかにしている。
SNAPは貧困対策の福祉政策というよりも、余剰生産物を減らす農業政策として誕生した経緯があり、現在も農務省の管轄である。政争のテーマにも上がりやすく、その時代の政権によって力の入れ具合も異なっているようだ。本書では、紙のクーポンからデビットカード方式へと変更したことで、利用者のメリットも大きくなっていることなども語られる。

著者はピッツバーグ大学で政治学の博士号を取得し、ノースイースタン大学で教授を務めている。


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