(原題)Das Auto. Die Lüge : Die kriminellen Machenschaften von Volkswagen und der deutschen Autoindustrie | Heiko Haupt 著 | Redline Verlag | 208p

1.消費量の減少は消費量の増加 -EURO6の嘘
2.いつでも増えていく
3.危険な衝突試験のおとぎ話
4.完全に死なずにほとんど死んでいる
5.タイヤやるから、ガソリン飲みな

【要旨】今や政治、経済両面において欧州を牽引するドイツだが、2015年後半から、二つの大きな問題に悩まされている。難民問題とフォルクスワーゲン(VW)による排出ガス不正操作事件だ。9月に発覚した後者は、ドイツを代表する大企業であるVWが、米国のディーゼル車排ガス規制をクリアすべく不正にソフトウェアを操作したという近年で最大のスキャンダルだった。本書では、このVWによる不正は氷山の一角にすぎないことが明らかにされる。ドイツの自動車メーカーたちは米国や日本企業との競争に勝つために利益を優先し、安全対策や環境対策を怠っているという。それどころかVW同様、あるいはそれを上回る「ごまかし」が横行していることを具体的に指摘し追及する本書は、他国・他業種の企業コンプライアンスについて考える上で重要な示唆を与えてくれる。著者は不正を徹底的に追及することで知られるドイツのジャーナリスト。

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