「マインドフルネス」という言葉を最近よく耳にしますが、実際の方法までご存じの方はあまり多くはないかもしれません。簡単に言うと、短時間の「瞑想」で姿勢と呼吸を整え、「今ここ」に意識を集中させるというメンタルトレーニングです。習慣化することで精神が研ぎ澄まされ、集中力や発想力が増すといわれています。
 「瞑想」と聞くと、スピリチュアルな、宗教がかったものだと思われる方もいるかもしれません。ですが実は近年は科学的な根拠に基づいたトレーニング方法として認知され、グーグル、インテル、マッキンゼー、ナイキといった名だたるグローバル企業が社員研修の一環で導入したことで注目されています。

 『グーグルのマインドフルネス革命』(サンガ)では、グーグルにおけるマインドフルネスの実践と、得られた効果を解説しています。
 コーチをつとめるビル・ドウェインさんは同書にインタビューでマインドフルネスの一つの効用として、「外部からの刺激に強くなること」を挙げています。私たちはストレスを感じる状況に直面すると、間髪おかずにイラッとしたり嫌な気分になってしまうものです。しかしマインドフルネスを実践していると、そんな自分と距離を取り、冷静に「観察」することができるようになるとのことです。

 またハーバードで公衆衛生を学んだ石川善樹さんの『疲れない脳をつくる生活習慣』(プレジデント社)ではマインドフルネスのベースにある「瞑想」の方法をいくつか紹介しています。その一つが「観察瞑想」です。自身にわき起こる思考や感覚を第三者の視点で観察するというものです。同書では頭のなかで浮かんだ自分の観察結果を「いま、私は座っているな」「涼しいと思っているな」といったように、脳内のもう一人の自分が実況中継するイメージだと言います。

 上記のマインドフルネスの実践を見るかぎり、マインドフルネスの重要なポイントは自己の「観察」にあると言えそうです。
 マインドフルネスの実践にはとりたてて準備も道具も必要ありません。誰にでもできます。良いアイデアが出てこない、疲れやすい、悩みが尽きない…という方は一度試してみてはいかがでしょうか。 


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グーグルのマインドフルネス革命 グーグル社員5万人の「10人に1人」が実践する最先端のプラクティス 』サンガ編集部  著 (サンガ)

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5000人のグーグル社員も実践する脳の基礎力アップ法とは?~『疲れない脳をつくる生活習慣』(石川善樹著)を読む
(ダイヤモンドオンライン イノベーション的発想を磨く#14 by情報工場)