(原題)Does Your Family Make You Smarter? : Nature, Nurture, and Human Autonomy | James R. Flynn 著 | Cambridge University Press | 272p

1.双子研究と自律性
2.自由と公平
3.長年の議論 -遺伝か環境か
4.家庭環境の影響の表れ方
5.双子・養子研究との整合性検証

【要旨】私たちの知能を決定するのは遺伝か環境か、という命題については、長年にわたり多くの研究者が検証し、議論を重ねてきた。近年では双生児や、養子と実子を比較するなどの研究により、遺伝子、家庭環境、偶発的要因の三つが影響していることがわかってきている。本書では、フリン効果(時代が新しくなるにつれてIQが上昇する現象)の発見で知られる心理学者ジェームズ・フリン博士が、複数の知能検査のスコアを使った独自の研究手法で、人間の知能の決定要因というテーマに挑んでいる。そして多くの実証データをもとに、一人ひとりの自発的な選択こそが成人の知能に大きな影響を及ぼしていることを主張。また、本書の後半では諸説、理論が乱立する知能研究の分野にメタ理論が必要であることを訴えている。著者は現在、ニュージーランドのオタゴ大学教授。

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