佐々木 健一 著 | 文藝春秋 | 292p | 1,800円(税別)

序.離陸
1.魔の風
2.謎の男
3.幸運
4.米国
5.日本
6.原爆
7.論争
8.勇気
9.変化
10.人生
終.着陸

【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。藤田哲也(1920-1998)という気象学者をご存知だろうか。日本ではほぼ無名に近いが、アメリカでは“天才科学者”としてよく知られる人物だ。竜巻の強さを分類する世界的単位「Fスケール」の考案をはじめとする竜巻研究から「Mr.トルネード」とも呼ばれた藤田氏だが、その最大の功績は「ダウンバースト」という気象現象の発見とされることが多い。1970年代に頻発した航空機事故の原因がダウンバーストであることを明らかにし、その後同様の事故を激減させることにつながったからだ。本書は、その藤田氏の人生の軌跡を追ったNHK総合テレビの特別番組『ブレイブ 勇敢なる者』「Mr.トルネード 気象学で世界を救った男」(2016年5月2日放映)の企画・制作過程での取材内容を再構成した評伝である。アメリカ全土総移動距離3万キロ超の取材を敢行した著者は、NHKエデュケーショナル・ディレクター。なお、本文中の藤田氏の発言は、取材の過程で見つかった当時67歳の本人の肉声テープによる。

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