中根 千枝 著 | 講談社(講談社現代新書) | 189p | 700円(税別)

1.序論
2.「場」による集団の特性
3.「タテ」組織による序列の発達
4.「タテ」組織による全体像の構成
5.集団の構造的特色
6.リーダーと集団の関係
7.人と人との関係

【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

前回の東京五輪から3年経った1967年に出版され、以降50年にわたり日本論、組織論、社会学、社会人類学の基本書の一つとして読み継がれてきたロングセラーが本書である。日本社会の構造を「『場』の共有」「タテ社会」といったキーワードで読み解くその理論は、時代を経ても変わらぬ社会の根本的な特質を分析したものであるがゆえに、21世紀の現代社会を考察する上でもきわめて有効なツールになりうる。本書の論によれば、西欧をはじめとする日本以外の社会によく見られるのは「資格」の共通性で形成される集団であり、その組織は同じ階級やカーストなど「ヨコ」のつながりが重視される。一方、日本ではさまざまな「資格」の人たちによる「場」の共有が集団を形成し、組織は親分・子分のような「タテ」のつながりで成り立っている。著者は1926年生まれで、現在東京大学名誉教授。世界各地で人類学の研究を行い帰国後、本書の元となった論文を書き上げた。東京大学教授および日本学士院会員としては女性初。

SERENDIP会員の方は本ダイジェストをこちらからお読みいただけます。