吉村 均 著 | 筑摩書房(ちくま新書) | 240p | 800円(税別)

1.空海の生涯
2.伝統的仏教理解へ
3.苦しみを減らしていく段階
4.苦しみを根源から断ち切ろうとする段階
5.空を体験した者に現われる世界
6.言葉を超えたさとりの境地が直接示される段階
終.道としての仏教

【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

仏教の瞑想を由来とするマインドフルネスが欧米で流行するなど、キリスト教をはじめとする一神教とは異なる仏教の教えや精神が世界的に脚光を浴びているようだ。だが、日本では明治以降の近代化のなかで伝統とは異なる説明がなされ、本来の理解が失われてしまっている。そのため、多くの日本人が、人間の「苦しみ」に関わる仏教の本質や、それが現代人のものの見方に関連していることを理解できないでいる。そこで本書では、真言密教を大成した空海が、主著である『十住心論』『秘蔵宝鑰』の中で説いた「十住心」を足がかりに、仏教特有の教えや修行の意味などを一般向けに解説する。チベットの諸師からも学んだ著者は、公益財団法人中村元東方研究所専任研究員。日本倫理思想史、仏教学が専門であり、多数の大学で非常勤講師を務める。

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