藤原 辰史 著 | 集英社インターナショナル(インターナショナル新書) | 208p | 720円(税別)

1.農業の技術から見た20世紀
2.暴力の技術から見た20世紀
3.飢餓から20世紀の政治を問う
4.食の終焉
5.食と農業の再定義に向けて
6.講義のまとめと展望

【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

現代では、人間が生きていくのに欠かせない「食」や農業をめぐるさまざまな課題がある。一方、戦争や紛争はなくなるどころか、国際情勢の緊張がいっそう高まっている。資本主義や民主主義の限界を叫ぶ声もある。実はこれらの問題の根っこには共通の「仕組み」が関わっている、と本書は指摘する。それは20世紀以降の即効性、効率性を重視する「仕組み」だ。本書では、農業技術の進歩の歴史、民生技術の軍事技術への応用などを論じながら、そうした「仕組み」の本質に迫っている。即効性に代わり「即興性」を重んじるべき、と主張する著者は、京都大学人文科学研究所准教授。農業技術史、食の思想史、環境史、ドイツ現代史を専門とする。なお本書は、2016年2月から8月にかけて「食堂付属大学」と題して行われた五つの講義を再構成したものである。

SERENDIP会員の方は本ダイジェストをこちらからお読みいただけます。