原題:Handbook of European Intelligence CulturesBob De Graaff, James M. Nyce 著 | Rowman & Littlefield Publishers | 496p

1.アルバニア:変化と継続
2.オーストリア:語られることのなかった情報活動の中心地
3.ベルギー:伝統ある諜報活動への新しいフレームワーク
4.ボスニア・ヘルツェゴビナ:諜報活動と安全保障の歴史
5.ブルガリア:100年におよぶ知られざる歴史
6.クロアチア:情報コミュニティの再構築
7.チェコスロバキア:全体主義から民主主義へ
8.デンマーク:国家安全保障から安全保障国家へ
9.エストニア:20世紀の諜報活動と安全保障
10.フィンランド:歴史的・文化的見地から見た情報活動
(他、全32項)

【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

諜報(スパイ)活動を行う情報機関といえば、アメリカのCIA(中央情報局)やソビエト連邦のKGB、あるいはイギリス映画『007』シリーズでジェームズ・ボンドが所属したMI6(※実在する)などを思い浮かべる人が多いだろう。世界に公的な情報機関を置く国家は多く、現代では国内外のテロリズムに対応したり、周辺国や関係国の情報収集・分析などを行う無数の諜報部員が国際的に暗躍している。そして、各国の情報機関にはその国の地政学や歴史、文化が色濃く反映されている。本書では、ヨーロッパの32カ国の情報機関とその活動の特色を、それぞれの「諜報文化」として分析、紹介している。冷戦終結後、国際情勢は複雑化する一方だ。それに対応するためにも、国の規模や政治体制を問わず、質の高い諜報活動が求められているようだ。二人の編者のうち、Bob De Graaff氏はオランダ防衛アカデミーとユトレヒト大学で教鞭をとる諜報活動および安全保障学の専門家。James M. Nyceは、米国インディアナ州のボール州立大学人類学科教授。

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