シッダールタ・ムカジー 著 | 仲野 徹 監修  田中 文 | 早川書房 | 418p | 2,500円(税別)

4.「人間の正しい研究題目は人間である」
 ―人類遺伝学(1970~2005)
5.鏡の国
 ―アイデンティティと「正常」の遺伝学(2001~2015)
6.ポストゲノム―運命と未来の遺伝学(2015~)
解説 『遺伝子―親密なる人類史―』から考える人類の未来(仲野 徹)


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

21世紀の最重要概念の一つともいえる「遺伝子」だが、その研究の道は平坦ではなかった。1975年の研究一時中断が解禁された後、世界中の研究者や企業がしのぎを削り、組み換えDNAやES細胞など、さまざまな発見や技術の開発がなされていった。そうした歴史を辿る本書。日本語版上下巻の下巻では、遺伝子診断(「ゲノムを読む」)と遺伝子改変(「ゲノムを書く」)技術が、どのような問題を乗り越え、そして今なお課題を残しつつも発展していったかを描き出している。人類の未来の鍵を握るともいえるゲノムがどういう役割を果たすのかも考察する本書は、「ニューヨークタイムズ」ベストセラー1位、ビル・ゲイツ氏が選ぶ年間ベストブックになるなど、世界中で注目、評価されている。著者は医師、がん研究者でコロンビア大学メディカル・センター准教授。著書『がん―4000年の歴史―』(早川書房)はピュリッツァー賞を受賞している。

SERENDIP会員の方は本ダイジェストをこちらからお読みいただけます。