原題:EVICTED: Poverty and Profit in the American City | Matthew Desmond 著 | Crown | 432p

プロローグ 冷え切った街
1.家賃
2.強制退去
3.その後
エピローグ 住居と希望


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

米国の国勢調査局の最新データによると、全米国民の12.7%にあたる約4100万人が貧困状態にあり、そのうち約1850万人が極度の貧困に陥っているという。その多くが有色人種であり、女性の比率も高い。そんな米国の貧困と格差、そして差別と暴力といった負の側面を象徴しているのが「強制退去(Eviction)」である。家賃を滞納したり、犯罪や薬物中毒といった問題行動のある借主を、家主が強制的に追い出す手続きを指す。退去を命ぜられた貧困者は明日の寝場所にも困ることになり、街にはホームレスがあふれる。そして貧困と治安がますます悪化していくのである。こうした強制退去は、全米のあらゆる都市で、それぞれ1日に何十件も起きているという。本書では、著者が実際にウィスコンシン州ミルウォーキーのスラムに住み込み、強制退去の生々しい実態をリポート。米国社会の暗部にスポットを当てるとともに、「貧困とは何か」を考えさせられるノンフィクションだ。著者はハーバード大学で社会科学を教える准教授で、「正義と貧困プロジェクト」を共同主宰している。

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