荻野 慎諧 著 | NHK出版(NHK出版新書) | 208p | 780円(税別)

1.古生物学者、妖怪を見なおしてみる
2.古文書の「異獣・異類」と古生物
3.妖怪古生物学って役に立つの?


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

日本の古文書や古典文学などには、鬼や河童、鵺(ぬえ)といった異形の妖怪や不思議な生物がしばしば登場する。それらの正体を古生物学という現代のサイエンスで明らかにしようとする研究者がいる。乏しい材料から大胆な仮説を導くその手法からは、細部にわたる観察や斬新な視点と推論を学ぶことができる。本書では、著者であるその古生物学者が、「妖怪古生物学」と自ら名づけるユニークな試みの一端を紹介。それは、化石から元の姿を「復元」する古生物学の研究方法を、古文献の描写からその対象の真の姿を想像するのに当てはめるものだ。鬼、鵺、一つ目の妖怪、雷獣、河童などの研究事例が示され、いずれもこれまでの常識をくつがえすような仮説とその根拠が示されている。著者は、地質・古生物学を専門とし、京都大学霊長類研究所、産業技術総合研究所の研究員を経て、株式会社ActoWを設立。現在は兵庫県丹波市で自然を生かした地域づくりを行っている。

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