古川 雄嗣 著 | 東洋経済新報社 | 344p | 1,600円(税別)

はじめに 「大人」への入門
1.なぜ「学校」に通わなければならないのか
2.なぜ「合理的」でなければならないのか
3.なぜ「やりたいことをやりたいようにやる」のはダメなのか
4.なぜ「ならぬことはならぬ」のか
5.なぜ「市民は国家のために死ななければならない」のか
6.なぜ「誰もが市民でもあり、奴隷でもある」のか
7.なぜ「学校は社会に対して閉じられるべき」なのか


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

2018年度から小学校の教科になった「道徳」。そこで教えられる、すなわち将来を担う子どもたちが身につけるべき道徳とは何か。そもそも私たち大人が健全な社会を営むために必要な道徳とは何なのか――現代の諸問題を解決するヒントにもなる、これらの問いの答えは、「西洋近代思想」の中にある。本書では、古代・中世・近代と連なる西洋の精神史・政治史・経済史を概観し、デカルトやカントを起点とする近代思想・哲学をわかりやすくひもとくことで、近代社会・近代の民主国家に必要な「道徳」の本質に迫っている。著者は、道徳を含むこれまでの日本の教育は単なる「奴隷」を作るものであり、民主国家の「市民」たりうる資質や考え方を育てるものでなかったと指摘する。著者は1978年生まれで、現在、北海道教育大学旭川校准教授を務める。専門は教育哲学、道徳教育で『偶然と運命――九鬼周造の倫理学』(ナカニシヤ出版)などの著書がある。

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