佐々木 雄一 著 | 中央公論新社(中公新書) | 320p | 900円(税別)

1.幕末 ―紀州出身の志士
2.維新官僚 ―能吏の自負と焦燥
3.獄中生活とヨーロッパ遊学
4.議会開設前後 ―再び政府のなかで
5.条約改正
6.日清戦争
7.日清戦後の内外政 ―知られざるもう一つの活動期
終.近代日本と陸奥宗光 ―陸奥をめぐる人々


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

混迷きわめる現代の国際情勢に、国内世論を一つにまとめつつ、どのような外交政策で立ち向かえばいいのか。我々は才ある政治家を選ぶとともに、民主主義のもと、一人ひとりの国民がそのことについて考えていかなければならない。そのためのヒントになる明治期に活躍した政治家がいる。陸奥宗光だ。本書では、列国との「不平等」条約を改める条約改正や日清戦争での活躍で知られ、「日本外交の祖」とも言うべき陸奥宗光の生涯をたどり、その功績と人物像を検証。坂本龍馬の海援隊で頭角を現し、伊藤博文、井上馨らとの人脈を生かしながら近代日本の国際的地位の確立という偉業を成し遂げた陸奥は、対外交渉そのものよりも、外交政策をまとめる国内政治に手腕を発揮したようだ。著者は、首都大学東京法学部助教で、日本政治外交史を専攻している。

SERENDIP会員の方は本ダイジェストをこちらからお読みいただけます。