柿澤 宏昭/山浦 悠一/栗山 浩一 編 著 | 築地書館 | 372p | 2,700円(税別)

1.保持林業と日本の森林・林業
2.アメリカ合衆国における保持林業の勃興
3.カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州の事例
4.保持林業の世界的な普及とその効果
5.北海道の人工林での保持林業の実証実験
6.保持木が植栽木・更新へ与える影響
7.保持林業と複層林施業
8.諸外国の生物多様性を保全するための制度・政策
9.日本における環境配慮型森林施業導入の課題と可能性
10.生物多様性の保全を進める新たな手法


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

あらゆるシステムの安定に多様性が重要であるように、地球の持続可能性を高めるには「生物多様性」が欠かせない。その生物多様性を確保するのに大事な役割を果たすのが「森林」である。森林のある区画のすべての木を伐採せず、生態系維持に必要な木を残す林業を「保持林業」といい、世界的に普及しつつあるという。本書では、生物多様性の回復・保全を目的とする「保持林業」の意義や考え方、手法・技術、普及のための制度や政策、課題や可能性について、海外の先進事例や国内における実験などを紹介しながら、16人の第一線の研究者が論じている。動物や昆虫の生息地を奪わずに産業としての林業を維持する保持林業の要となるのは、「何を伐採するか」ではなく「何をどのように残すか」である。編者の柿澤宏昭氏は北海道大学大学院農学研究院教授、山浦悠一氏は国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所 森林植生研究領域主任研究員、栗山浩一氏は京都大学大学院農学研究科教授。ダイジェストで主に抜粋した第1章は山浦氏と、国際農林水産業研究センター林業領域長の岡裕泰氏の共著。

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