吉田 敏浩 著 | KADOKAWA(角川新書) | 288p | 840円(税別)

1.首都圏の空を覆う「横田空域」
2.「横田空域」を米軍が手放さない理由
3.エスカレートする低空飛行訓練
4.米軍を規制できるドイツ・イタリアとできない日本
5.米軍に対していかに規制をかけるか


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

日本列島の上空に、民間の航空機がほとんど飛ぶことができない、広大な空域があるのをご存じだろうか。「横田空域」と呼ばれる首都圏上空を含むそのエリアは米軍の管制下にあるため、民間機は羽田空港への離着陸時などに不自然な迂回を強いられる。しかもこの空域の設定は日本の国内法に定めがない。本書では、日米合同委員会という密室の協議機関で定められた「横田空域」にスポットを当てる。日本の高級官僚と在日米軍高官で構成される日米合同委員会は、合意文書や議事録が原則非公開であり、そこでの合意事項や密約に国会の承認は必要ない。それでいてそこでの決定事項は日米両政府に強い拘束力を持つ。そんな異例づくしの日米合同委員会、横田空域について本書では、入手可能な資料や報道をもとに、実態やこれまでの経緯などを明らかにする。著者は1957年生まれのジャーナリスト。少数民族の自治権をめぐる戦いと生活と文化を長期取材した記録である『森の回廊』(NHK出版)で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞している。

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