太田 肇 著 | 新潮社(新潮新書) | 238p | 780円(税別)

1.「承認欲求」最強説
2.認められたら危ない
3.パワハラ、隠蔽、過労死……「呪縛」の不幸な結末
4.「承認欲求の呪縛」を解くカギは


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

SNSなどで飛び交う、いわゆる「ネット言論」において「承認欲求」という言葉をしばしば見かけるようになった。他者から認められたい、評価されたい欲求のことだが、過度に「いいね!」を欲したり、ウケ狙いでバイト先での奇行を動画にして投稿したりする行為を責めるのに使われるケースが多い。本書は、ネット上だけでなく、リアルな生活や職場での人間関係にも広がる、「承認欲求」にまつわる深刻な問題をテーマとしている。「承認欲求の呪縛」と著者が呼ぶその問題は、上司や周囲からの期待を過剰に受け止め、自らの「承認欲求」を満たそうと努力するあまり、プレッシャーに押しつぶされたり問題行動に走ったりすることなどを指す。行き過ぎると過労死や過労自殺、企業における不祥事の隠蔽やごまかし、学校でのイジメや不登校など、重大な社会問題や事件の原因にもなりうる。本書では、そんな「承認欲求の呪縛」の発生メカニズムや「解き方」、日本社会の特質との関係などを、多くの事例を挙げながら詳細に分析している。著者は同志社大学政策学部教授で、個人を尊重する組織の研究を専門としている。

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