クリスティー・ワトスン 著 | 田中 文 | 早川書房 | 360p | 2,300円(税別)

1.静脈の木
2.想像できることはすべて現実だ
3.世界の起源
4.最初は赤ちゃん
5.存在するための闘い
6.左の肋骨の下のどこかに
7.生きるということは驚きだ
8.小さなことを、大きな愛を込めて
9.人間の骨
10.だからわたしたちは前へ、前へと進みつづける
11.日暮れに
12.死はつねにふたつある
13.すると、子供の体が温かくなってきた


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

現代日本では多くの業界で人手不足が指摘されるが、とりわけ長らくその解消が望まれているのが医療業界。医師不足、看護師不足は高齢化が進む先進国共通の課題でもある。中でも看護師は長時間労働に加え、人命に関わるとともに、ショッキングな場面に出くわすことも多く、その精神面の負担も懸念点だ。本書は、約20年間、看護師としてロンドンにある英国の国営病院に勤務した小説家が、当時の生々しい経験と看護の現実を静謐な筆致で描き出すノンフィクションである。救命救急、精神科、産科、手術室、そして小児集中治療室など、さまざまな「命の現場」で看護経験を積んだ著者。体と心に負担がかかる過酷な現実と向き合いながら、仕事とは何か、人間とは何か、優しさとは何か、といった究極の問いを投げかける。著者は英国生まれで、16歳で看護学校に入学。2011年に執筆した小説Tiny Sunbirds Far Awayはコスタ賞新人賞を受賞した。なお本書THE LANGUAGE OF KINDNESSは「ザ・ガーディアン」等で年間ベスト・ブックに選出されている。

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