『明治維新の理念をカタチにした 前島密の構想力』
加来 耕三 著 | つちや書店 | 328p | 1,450円(税別)


1.“構想力”の基礎
2.成否を決する“構想力”の条件
3.“構想力”を伸ばすには
4.次世代へつなぐ“構想力”
終.“構想力”の伝承


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

明治維新において近代国家の基礎を築いた人物と聞いて名前が挙がるのは、大久保利通、木戸孝允、西郷隆盛、岩倉具視といった面々だろうか。だが、実務面でいうと「前島密(ひそか)」を忘れてはならないだろう。
「日本郵政の父」と呼ばれる前島は、持ち前の「構想力」で数々の近代制度を構築したのだ。

本書では、評伝形式で、1円切手の肖像画でも知られる前島密(1835-1919)の足跡・功績を辿りつつ、彼の卓越した「構想力」を分析。
とりわけ、江戸時代の飛脚を廃止し、近代的な郵便制度(「郵便」や「切手」「はがき」の名付け親も前島密である)を、全国津々浦々に行き渡らせた功績は大きく、そのプロセスには前島の構想力のエッセンスが多数含まれている。
越後国の豪農の二男として生まれた前島密は、医学、語学等を究め、薩摩藩の洋学校講師、幕臣等を経て、明治2年に明治新政府に出仕する。
著者の加来耕三氏は歴史家・作家で「歴史研究」誌の編集委員、大学・企業の講師を務めながらテレビ・ラジオの番組監修・出演など多岐にわたって活躍している。

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