『私が米国人をやめた理由』
原題:The Unmaking of an American
Roger Pulvers 著 | Balestier Press | 268p


1.コップの縁を歩む人生
2.私はこうして米国籍を捨てた
3.自分の中の日本人
4.対岸の火事
5.宮沢賢治の網
6.自分の中の米国人


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

複数の国家や文化にまたがり活躍するクリエイターやビジネスパーソンは、今では決して珍しくない。
だが、米国生まれでロシアや東欧に詳しく、日本に移住したと思えばオーストラリアに渡り国籍を取得するという縦横無尽の活躍を見せる作家・劇作家のロジャー・パルバース氏は“珍しい”のかもしれない。

本書は、宮沢賢治や石川啄木、井上ひさしといった日本人文学者による作品の影響を受けた小説や演劇脚本を多数手がけるロジャー・パルバース氏の回顧録。
同氏が23歳の時に米国人を「やめる」決心をして、まったくの「未知の国」であった日本に移住した理由、若き頃に訪れた冷戦下のソビエト連邦や東欧諸国の様子、日本文化に傾倒し、創作を続ける中でたどり着いた人生観などを詳細に語っている。
その半生は、国境を超えた世界全体を視野に入れた生き方、母国をはじめとする国家の方向性に、個人としてどう対峙するかなど、グローバル化時代に有用な示唆を与えてくれる。
作家・翻訳家・劇作家・演出家など幅広く活躍するパルバース氏は、1983年に映画『戦場のメリークリスマス』で助監督を務めた後、二度目の来日を果たし、東京工業大学世界文明センター長などを務める。現在は東京工業大学名誉教授。

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