『グリーンスパン』
セバスチャン・マラビー 著 | 村井 浩紀 訳 | 日本経済新聞出版社 | 928p | 5,800円(税別)


序.「彼は基準を打ち立てた」
1.イデオローグ
2.政治家
3.中央銀行家
終.目隠しをしたローラー・スケーター


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

戦後の金融界における最重要人物の一人にアラン・グリーンスパン氏がいる。
1987~2006年に米国の中央銀行である連邦準備理事会(FRB)議長を務め、幾度もの経済危機を乗り越え「大いなる安定」を実現。「マエストロ(巨匠)」とも呼ばれるが、2008年の金融危機後、その名声は失墜する。

本書は、データを重視する実証派の優れたエコノミストでもあった第13代FRB議長アラン・グリーンスパン氏の、幼少期から現在までを描く評伝。
ほぼ無制限にしていいと許可された本人への取材をはじめとする、5年にわたる取材・調査・執筆を経て掘り起こした事実関係をもとに、グリーンスパン氏の人生とその時代を詳細に伝えている。
インフレを抑制し物価の安定に見事な手腕を発揮し「万能議長」「史上最強のセントラルバンカー」と称されるものの、金融危機を契機に「悪党」の烙印を押されたグリーンスパン氏。彼は、なぜ間違ったのか。
その疑問に答える本書は、中央銀行の課題、金融の未来を浮き彫りにする。
著者は、「フォーリン・アフェアーズ」誌の発行元として知られる外交問題評議会の上級研究員(国際経済担当)でジャーナリスト。「エコノミスト」誌ワシントン支局長、「ワシントン・ポスト」紙などを経て現職。

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