『ルポ 人は科学が苦手』
三井 誠 著 | 光文社(光文社新書) | 248p | 840円(税別)


1.自分が思うほど理性的ではない私たち
2.米国で「反科学」は人気なのか
3.科学不信の現場
4.科学をどう伝えるか


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

2017年6月、米国のトランプ大統領は、地球温暖化対策のための国際枠組みであるパリ協定からの離脱を表明、世界に衝撃を与えた。
かねてから同大統領は、二酸化炭素排出による地球温暖化を「でっちあげ」と言っていた。こうした、米国を中心に広がりつつある「科学不信」の原因は何だろうか。

本書は、2015年から3年間、ワシントン特派員として米国の科学取材を続けた新聞記者が出会った「科学不信」の現場のリポート。
科学者たちの間でほぼ合意されている地球温暖化のメカニズムを、規制を避けたがる政治的主張から否定したり、聖書の教えに反するとしてダーウィンの進化論を信じない、自分の直感と異なるがゆえに「地球は球体ではない」と主張する、といった人たちが米国には意外なほど多いのだという。
著者は、取材や文献をもとに「人類はもともと科学的に物事を考えるのが得意ではないのではないか」と論じるとともに、科学を信じない人たちとのコミュニケーションのあり方を探っている。
著者は読売新聞東京本社科学部記者。生命科学や環境問題、科学技術政策などの取材を担当してきた。

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