『最後の砦』
橋本 高明 著 | 文芸社 | 260p | 1,400円(税別)


1.プロローグ
2.ミッション
3.漁業取締りの概要
4.立入検査―東シナ海の決戦―
5.瀬戸内海での対応
6.境界線を描く
7.違反の抑止
8.新興勢力の台頭―中国虎網漁船による密漁事件―
9.北太平洋公海
10.ボーダーライン
11.漁業とともに


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

四方を海で囲まれ、領海と排他的経済水域を合わせた面積が世界6位の日本。生産高は減少しているものの、依然として水産資源大国の一つだ。
それは一国の経済的なアドバンテージであると同時に、広大な海洋領域の資源管理の責任を負うことでもある。
そのために重要な「漁業取締り」とはどういうものか。

本書では、違法操業をする日本漁船や外国漁船の摘発などに長年にわたり取り組み、今も漁業取締船の船長として活躍する著者が、日本の漁業取締りの現状、そのミッションや手法などを、貴重な実体験をもとに解説。
密漁や乱獲を行う違反漁船との巧妙な駆け引きを含む“戦い”を生々しく描きつつ、厳格な取締りが違反者のためでもあり、漁業秩序を維持し、漁場を守ることが漁業を営む、また水産物の提供を待つ多くの人々の将来にわたる利益につながることを強調する。
著者は現在、東京海洋大学の非常勤講師も兼任。農林水産技官(航海士)として水産庁に入庁以来、独自の手法を開発しながら実効ある取り組みで漁業秩序の維持に貢献している。

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