『観光公害』
佐滝 剛弘 著 | 祥伝社(祥伝社新書) | 264p | 840円(税別)


1.変容する千年の古都
2.「観光公害」とは何か
3.日本各地の「オーバーツーリズム」
4.「海外の有名観光地」の現実
5.観光公害を解決するには
6.誰のための「観光」か


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

2020年に4000万人到達を目標に、政府は訪日観光客(インバウンド)誘致を進めている。
2002年に500万人台だった訪日外国人が、2018年に3000万人超になる急増ぶりをみると、あながち無理な数字ではないだろう。
だが、インバウンドには「観光公害」と呼ばれる深刻な“副作用”が出てきている。

本書は、観光学の用語で「オーバーツーリズム」と呼ばれる、過剰に観光客が訪れることで、地元住民の生活環境や自然環境が脅かされる現象を、「観光公害」として取り上げる。
著者自身が暮らす京都をはじめとする国内観光地、および著者が調査とヒアリングに訪れたスペイン南東部など海外の事例を紹介しつつ、問題の本質と、解決のヒントを探っている。
オーバーツーリズムには、直接的な観光客の迷惑行為だけでなく、宿泊施設需要などによる地価の高騰といった間接的かつ深刻な問題も含まれているようだ。
著者は、NHKディレクターなどを経て現在、京都光華女子大学キャリア形成学部教授、NPO産業観光学習館専務理事。世界遺産、産業遺産、近代建築、交通、観光、郵便制度などの取材・調査を続けている。

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