『40℃超えの日本列島でヒトは生きていけるのか』
永島 計 著 | 化学同人(DOJIN選書) | 200p | 1,600円(税別)


1.環境と人の関係
2.カラダの温度とその意味
3.カラダを冷やす道具たち
4.温度を感じるしくみ
5.脳と体温調節――考えない脳の働き
6.フィールドの動物から暑さ対策を学ぶ
7.熱中症の話
8.運動と体温
9.発達、老化、性差など
10.温度や暑さにかかわる分子や遺伝子
おわりに 40℃超えの日本列島でヒトは生きていけるのか


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

日本の夏の暑さが、尋常ではなくなっていると感じる人は多いだろう。
最高気温35℃以上の「猛暑日」も珍しくなくなり、30℃くらいでは「それほど暑くない」という人も。
しかし、「命に関わる危険な暑さ」と天気予報で注意喚起が連呼される日々に、日本人の体は耐えていくことができるのだろうか。

本書では、主に「人体の体温調節」のメカニズムに焦点を当てつつ、タイトルの「40℃超えの日本列島でヒトは生きていけるのか」の答えを科学的に解き明かす。
気温の上昇は、湿度、風、日光などの他の環境要因と合わせて、皮膚の表面近くにある空気の温度を上げる。
人間は生命維持に重大な体の中心部の温度を一定に保つために、皮膚血管などを通じて外部に熱を発散しているのだが、皮膚の回りの温度が上昇すると、その発散がうまくいかなくなる。
そのために体の中心部が高温になると、場合によっては生命に関わることもある。
著者は早稲田大学人間科学学術院教授。専門は生理学、とくに体温・体液の調節機構の解明である。

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