『日本SF誕生』
豊田 有恒 著 | 勉誠出版 | 232p | 1,800円(税別)


1.人類の夢、近代SFへの道
2.SFマガジン創刊
3.日本SFコンテスト
4.同人誌『宇宙塵』と『Null(ヌル)』
5.SF作家クラブ始動
6.SFの普及と発展
7.日本SF作家と映像の関わり―アニメ(人形アニメも含む)、特撮など
8.SF作家 交友録
9.SFの浸透と拡散
10.国際SFシンポジウム(1970年)
11.SFの未来へ


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

SF(サイエンス・フィクション)が世界的に注目されつつあるようだ。
中国ではSF小説『三体』シリーズが累計2000万部を超える異例の大ベストセラーになり、ユヴァル・ノア・ハラリ氏も未邦訳の最新作でSFの重要性を強調している。
日本でも、かつて小松左京、星新一らによるSFブームがあった。

本書は、1960年代にそれまで日本ではまったく馴染みのなかったSFという分野を切り拓き、数々のヒット作を生んで日本に定着させた作家や編集者たちの足跡やエピソードを描いたノンフィクションである。
日本SFの直接の源泉は、第二次世界大戦前後に黄金期を迎えたアメリカSFであり、小松左京、星新一、筒井康隆、眉村卓、そして本書の著者でもある豊田有恒といった作家たちが、海外SFの影響を受けながらも、独自の作風を開拓していった。
本書では、星新一のショートショートや小松左京の『日本沈没』などで一大ブームを巻き起こすまでの日本SF草創期を、著者の交友録などを交え、生き生きと描写する。
著者は1938年生まれのSF作家で、島根県立大学名誉教授。代表作に『火星で最後の……』(早川書房)、『タイムスリップ大戦争』(角川文庫)など。アニメ『宇宙戦艦ヤマト』のSF設定も担当していた。

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