『赤ちゃんはことばをどう学ぶのか』
針生 悦子 著 | 中央公論新社(中公新書ラクレ) | 216p | 820円(税別)


1.赤ちゃんは本当に「天才」なのか
2.まず、聞く
3.「声」から「ことば」へ
4.子どもはあっという間に外国語を覚えるという誤解について
終.必要だから、学ぶ


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

英語など外国語の学習に苦労する人、苦労した人は多いのではないだろうか。
だが私たちは誰でも、母語である日本語を赤ちゃん時代に習得したはずだ。
では、懸命に努力することもなく、いつの間にか自然とことばを話すようになるように見える赤ちゃんは、実際はどのようにことばを覚えるのだろうか。

本書では、生後18か月くらいまでの子どもが、どのように周りの大人の発することばを聞き取って理解し、言葉を発するようになるのかという言語習得プロセスを、著者自身の研究を始めとする最新の研究成果をもとに解説。
まだ十分に発達していない頭脳で、短期間でなんなく言葉を覚えていく赤ちゃんは「言語学習の天才」のように思われることが多い。
だが、そのプロセスをつぶさに分析すると、私たちは赤ちゃん時代に、相当の努力と苦労を重ねながら言葉を覚えていたことがわかった。
それゆえ、幼児期に外国語に触れさせ、バイリンガルに育てようとするのは子どもに多大な負担をかけるものと認識しなければならないという。
著者は東京大学大学院教育学研究科教授で、発達心理学、認知科学を専門とする。

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