『私たちが国際協力する理由』
紀谷 昌彦/山形 辰史 著 | 日本評論社 | 232p | 1,700円(税別)


1.問題提起:国際開発は国益とどう向き合うべきか? …山形辰史
2.日本と世界のための政府開発援助(ODA)…紀谷昌彦
3.持続可能な開発目標(SDGs)の行方 …山形辰史
4.日本の強みを世界に生かす発想と実践 …紀谷昌彦


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

トランプ政権をはじめ自国第一主義が世界的に拡大しつつある。
一方で貧困や難民、環境問題など、グローバルな支援や協調によってしか解決できない深刻な課題が山積している。
これまで国連や英米、日本などの先進国が主導してきた、これらの諸問題に向けての「国際協力」はどうあるべきなのだろうか。

本書では、それぞれの立場から日本および世界の国際協力の現場とこれまでの経緯を知り尽くした2人の著者が、政府開発援助(ODA)を軸とする国際協力の本来の目的や、実践方法について論じる。
自国第一主義が世界にはびこる中、国際協力においても、援助物資に自国製品のみを使用するといった、援助する側の「国益」を重視する傾向が見られるが、それと、貧困の撲滅や世界平和といった「世界益(世界全体の利益になる物事)」は両立するのだろうか。
2015年に国連が採択した「SDGs(持続可能な開発目標)」との関係などを踏まえながら、2人の著者がそれぞれ異なる意見と共通する見解を述べている。
著者の紀谷昌彦氏は、在バングラデシュ日本国大使館参事官、駐南スーダン日本国大使、外務省国際協力局参事官、アフリカ開発会議担当大使、NGO担当大使などを歴任し、現在、在シドニー日本国総領事。
山形辰史氏は、日本貿易振興機構アジア経済研究所開発スクールなどを経て、現在、立命館アジア太平洋大学教授、国際開発学会会長。

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