『レンマ学』
中沢 新一 著 | 講談社 | 482p | 2,700円(税別)


1.レンマ学の礎石を置く
2.縁起の論理
3.レンマ学としての『華厳経』
4.脳によらない知性
5.現代に甦るレンマ学
6.フロイト的無意識
7.対称性無意識
8.ユング的無意識
9.レンマ的数論(1)
10.レンマ的数論(2)
11.レンマ派言語論
12.芸術のロゴスとレンマ
付録1 物と心の統一
付録2 レンマ的算術の基礎
付録3 心のレンマ学/A Lemma Science of Mind


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

「レンマ」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
ジレンマやトリレンマに含まれるレンマと語源を同じくし、古代ギリシャでは、ロゴス(論理)と対置する、もう一つの理性とされた。
東洋では大乗仏教によって人類の根本的な知性こそがレンマであり、ロゴスはそこからの派生体にすぎないと考えられた。

本書は、『チベットのモーツァルト』『アースダイバー』等の著作で知られる思想家の中沢新一氏が、AIが進化を続ける現代にあって、人間が本来有している知の働きである「レンマ」の知見を深めるべく、新たな学問として打ち立てようとしている深遠な「レンマ学」の世界へと我々を誘う書である。
レンマ学は「すべてのものは時間的概念を超えて無秩序につながる」という、大乗仏教の『華厳経』などに示された「縁起」の考え方や、明治・大正期に活躍した博物学者、南方熊楠が研究した粘菌の生態などを元にした壮大な「知」の理論である。
著者の中沢新一氏は1950年生まれ。現在は、明治大学野生の科学研究所所長を務める。

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