『MMT現代貨幣理論入門』
L・ランダル・レイ 著 | 島倉 原 監訳/鈴木 正徳 訳 中野 剛志/松尾 匡 解説 | 東洋経済新報社 | 556p | 3,400円(税別)


巻頭解説 「現実」対「虚構」~MMTの歴史的意義(中野剛志)
序.現代貨幣理論の基礎
1.マクロ会計の基礎
2.自国通貨の発行者による支出
3.国内の貨幣制度
4.自国通貨を発行する国における財政オペレーション
5.主権国家の租税政策
6.現代貨幣理論と為替相場制度の選択
7.主権通貨の金融政策と財政政策
8.「完全雇用と物価安定」のための政策
9.インフレと主権通貨
10.結論:主権通貨のための現代貨幣理論
巻末解説 MMTの命題は「異端」ではなく、常識である(松尾匡)


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

“異端の経済理論”だった「MMT(現代貨幣理論)」が、最近になって脚光を浴びている。
これまで主流とされてきた経済学上の常識を、その根本である「貨幣」の定義から覆し、政府の財政赤字を肯定的に捉えるといった革新的な理論は政治家や日銀総裁などを巻き込み、賛否両論の議論を巻き起こした。

本書は、MMT第一人者と言われる著者が2012年に発表し「MMTのバイブル」と呼ばれた書の改訂版の邦訳である。
MMTの基礎となる貨幣や通貨の定義から、政府の財政、金融政策、租税政策などにおける、従来とはまったく異なるMMTの考え方を詳しく紹介している。
MMTは、20世紀初頭のゲオルグ・F・クナップ、ジョン・M・ケインズ、ヨーゼフ・A・シュンペーターらの理論を原型とし、1990年代に本書の著者やステファニー・ケルトン、ビル・ミッチェルといった経済学者、あるいは投資家のウォーレン・モズラーらによって成立した歴史を持つ。
著者のL・ランダル・レイ氏は経済学者で、ニューヨークのバード大学教授兼レヴィ経済研究所上級研究員。貨幣理論と金融政策、マクロ経済学、金融不安定性、雇用政策を専門とする。

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