『月はすごい』
佐伯 和人 著 | 中央公論新社(中公新書) | 240p | 820円(税別)


序.知識の再確認
1.月の科学
2.月面の環境
3.砂漠のオアシスを探せ
4.鉱山から採掘せよ
5.月の一等地、土地資源を開発せよ
6.月と太陽のエネルギーを活用せよ
7.食料を生産せよ
8.月から太陽系へ船出せよ
終.月に住み宇宙を冒険する未来にどう生きるか


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

1969年にアポロ11号が人類初の月面着陸に成功して半世紀。
ここに来て再び人類の宇宙への情熱が高まりつつあるようだ。それには国家のみならず、イーロン・マスク氏率いるスペースXをはじめとする民間のチャレンジが盛んになったことが大きい。
そして今もっとも注目されるのが「月」である。

本書は、地球にもっとも近い天体である月について、月面環境の特徴から、水や鉱物資源、エネルギーなどの利用可能性などを、最新の月探査プロジェクトの成果などをまじえながら詳説。
アポロ計画終了から40年以上有人探査が行われていない月面だが、科学や技術の進歩により低コストで探査、旅行、そして移住の可能性まで、現実的に想定できるまでになっている。
本書では、それも踏まえながら、月面に存在が期待されている「水」をどのように取り出し、何に使うかなどを具体的に論じている。
著者は、大阪大学理学研究科宇宙地球科学専攻准教授で、惑星地質学、鉱物学、火山学を専門とする。
JAXA月探査「かぐや」プロジェクトの地形地質カメラグループ共同研究員、月探査SELENE-2計画着陸地点検討会主査などを務め、月着陸計画SLIMにもかかわる。

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