『国運の分岐点』
デービッド・アトキンソン 著 | 講談社(講談社+α新書) | 256p | 900円(税別)


1.「低成長のワナ」からいかにして抜け出すか
2.日本経済の最大の問題は中小企業
3.この国をおかしくした1964年問題
4.崩壊しはじめた1964年体制
5.人口減少・高齢化で「国益」が変わった!
6.国益と中小企業経営者の利益
7.中小企業 護送船団方式の終焉
8.中国の属国になるという最悪の未来と再生への道


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

日本の経済成長率はわずか1%程度で推移し、デフレからも脱却しきれていない。
しかし、日本の技術力はいまだ高く評価されており、世界経済フォーラムの国際競争力ランキングでは、141の国・地域の中で第6位(2019年)につけている。
いったい「何」が経済成長やデフレ脱却を妨げているのか。

本書では、「観光立国論」や「所得倍増論」を唱える数々の著書で日本再生を論じてきたデービッド・アトキンソン氏が、これまでの精緻な分析の末に突き止めた「日本経済低迷の主因」について論じている。
その主因とは、これまで日本経済の底力として評価されてきた「中小企業」。人口減少の局面で、他の先進国に比して中小・零細企業の数が多すぎることが生産性の伸びを抑えつけ、低成長や国の借金増につながっているのだという。
高齢化により社会保障支出が増大する中、小規模の企業を統廃合するなどの“荒療治”をしなければ、経済の衰退に首都直下地震などの大災害がとどめを差し、中国の属国化などのシナリオも考えられると、著者は強く主張する。
アトキンソン氏は元ゴールドマン・サックス金融調査室長で、現在、小西美術工藝社社長。ゴールドマン・サックス時代に日本の不良債権の実態を暴くレポートを発表したことで知られる。

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