『イラク戦争帰還兵の「心の傷」はどこで癒されたのか』
-PTSDを克服するために4,000キロ超を歩く
Where War Ends
Tom Voss, Rebecca Anne Nguyen 著|New World Library|288p


1.行き詰まり
2.旅路
3.平穏


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

戦争や大災害など人の生死に関わる極限状態は、心身に、下手をすれば生涯消えない深い傷を残す。とくによく知られるのがPTSD(心的外傷後ストレス障害)だ。
傷を癒し、自分の人生を取り戻すにはどうすればいいか。
ある米国人イラク戦争帰還兵は4,000キロ以上の徒歩の旅でそれを見つけた。

本書は、2004年に志願兵としてイラクの戦地に派遣され、数々の“死”と凄惨な現実を経験した著者、トム・ヴォス氏が帰還後、5カ月をかけて2,700マイル(約4,345キロメートル)を歩くことで心の傷を癒す入り口を見つけた過程を描く。
ヴォス氏は、同じくイラク戦争帰還兵の友人とともに、故郷の米国ウィスコンシン州ミルウォーキーから、戦友の待つカリフォルニア州サンタモニカに到達するまでの間に、さまざまな“指導者”たちと会い、長時間の瞑想を実践し、徹底的に自分と向き合う。
旅の一部は、映画監督のマイケル・コリンズ氏によりドキュメンタリー映画として公開された。
ヴォス氏は旅の後、さらに瞑想を極め、平和活動団体に参加し、インドを訪ねるなど“自己治癒”の活動を続けた。
共著者のレベッカ・アン・グエン氏はトム・ヴォス氏の妹で、ライターとして活躍している。

SERENDIP会員の方は本ダイジェストをこちらからお読みいただけます。