『絶望の林業』
田中 淳夫 著 | 新泉社 | 304p | 2,200円(税別)


はじめに 騙されるメディアと熱い思い
1.絶望の林業
2.失望の林業
3.希望の林業


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

若手の担い手が増え、自給率が上がり、輸出も好調――。衰退産業と思われてきた日本の「林業」が、成長産業として期待されているという。
国も前のめりで、さまざまな法整備と補助金などの施策を打ち出している。
だが、木材の需要が減るなか、補助金頼みである林業は、本当に成長産業化できるのだろうか。

本書では、現在の林業は成長産業どころか、表面上の数字からは見えない実状を知ると「絶望」的であると指摘。
効率が悪く生産性が上がらないせいで莫大なコストがかかっているが、上がる利益はそのコストに達しない。つまり赤字の取引が常態化しているという。
それでも生産者の経費の7割が国や自治体からの補助金で賄われているために、利益向上の努力をしなくなっている。
著者はその他にもさまざまな「絶望の林業」の実情を描きつつ、理想的な「希望の林業」はどうあるべきか、かつての吉野林業などの事例を挙げながら提言を行っている。
著者は静岡大学農学部林学科を卒業後、出版社、新聞社等を経て、フリーの森林ジャーナリストとして森と人の関係をテーマに活発な執筆活動を続けている。

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