『覚悟の競馬論』
国枝 栄 著 | 講談社(講談社現代新書) | 176p | 840円(税別)


はじめに――変わりゆく競馬界
特別インタビュー クリストフ・ルメール
 1.調教師が大事にしていること
 2.調教師の戦略
 3.最強馬のつくりかた
 4.海外レースに挑む
 5.東西格差をどう解消するか
 6.日本競馬への危惧


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

日本の「競馬」人気が堅調だ。
JRA(日本中央競馬会)主催のレースに投票した延べ総数である「総参加人員」の2018年の数字は1億8000万人弱で過去最高だという。
その競馬に関わる中で、レースの鍵を握る重要な役職といえば「調教師」。競走馬のコンディションを整え「勝てる馬」にする役割の人々だ。

本書では、日本の名調教師の一人、国枝栄氏が、調教師とはどんな職業なのか、自身の経験や、これまでの競馬界全体の変化を踏まえながら解説。
それとともに、抽選により出走できない馬が発生する「除外馬」問題など、JRAの問題点を「覚悟」を決めて指摘し、その解決案を提言している。
かつての「人が馬を使いこなす」といった人馬関係よりも、馬の性格や成長可能性、コンディションなどを勘案し、馬の感性、気持ちになってそのポテンシャルを引き出す、“アスリートファースト”ならぬ“ホースファースト”が著者のモットーであり、競馬界の進むべき方向だという。
著者は、JRAの美浦トレーニング・センターに所属する調教師。現役最強牝馬とうたわれる「アーモンドアイ」など数々の名馬の調教を手がける。

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