『緒方貞子――難民支援の現場から』
東野 真 著 | 集英社(集英社新書) | 219p | 740円(税別)


序.怒りを原動力にして
1.国連難民高等弁務官への道
2.「冷戦後」の始まり―クルド難民
3.「民族浄化」の中で―旧ユーゴ紛争(1)
4.国際政治と人道援助―旧ユーゴ紛争(2)
5.厳しさを増す人道援助―ルワンダ難民
6.紛争地域の再生に向けて
7.同時多発テロとアフガン難民支援
8.「人間の安全保障」に向けて
終.イラク戦争、そして日本
講演 緒方貞子『日本、アメリカと私―世界の課題と責任』


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

2019年10月22日、元国連難民高等弁務官の緒方貞子氏が逝去された。
国際政治学者だった緒方氏は、東西冷戦終結直後の1990年から、各地で国内紛争が勃発し難民が急増した10年間、日本人初の国連難民高等弁務官に着任。
さまざまな改革を実行するとともに新しい難民保護の枠組みをつくり、高い評価を受けている。

本書では、2000年、緒方貞子氏の国連難民高等弁務官退任直前に行われた計4時間のインタビューや関係者への取材をもとに、緒方氏のそれまでの業績や思考法、行動指針、そして難民救済への思いなどから、その人間像を明らかにする。
複雑で解決困難な国際情勢のもと、生死にもかかわる悲惨な状況に置かれた多数の難民たちを救った緒方氏の大胆な決断と行動の背景にあったものは何だったのか。
取材と構成を担当した著者の東野真氏は、1987年にNHKに入局、プロデューサーとして数々の社会情報番組等を手がけている。
本書は、同氏が担当した2001年1月20日放送のNHKスペシャル「難民と歩んだ10年~緒方貞子・国連難民高等弁務官~」など3本のテレビ番組をベースに書き下ろされた。

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