『日本の品種はすごい』
竹下 大学 著 | 中央公論新社(中公新書) | 304p | 900円(税別)


序.ブリーダーの特殊技能
1.ジャガイモ ――次々現れる敵との激闘の数々
2.ナシ ――日本発祥の珍しき果樹
3.リンゴ ――サムライの誇りで結実した外来植物
4.ダイズ ――縄文から日本の食文化を育んできた豆
5.カブ ――持統天皇肝いりで植えられた作物
6.ダイコン ――遺伝学者の想像を超えた品種たち
7.ワサビ ――家康が惚れ込み世界に広がった和の辛味


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

私たちの食卓に並ぶ野菜や果物、穀類、香辛料の原料などは、そのほとんどが品種改良されている。
イネの「コシヒカリ」、リンゴの「ふじ」などが有名だが、現在、各野菜や果物の中には、国内だけで100を超える品種が流通するものもあるという。
それらの品種はどのようにして作られてきたのだろうか。

本書では、ジャガイモ、ナシ、リンゴ、ダイズ、カブ、ダイコン、ワサビという七つの身近な食用植物を取り上げ、それぞれの品種改良の歴史と、それにまつわる興味深いエピソードを豊富に紹介。
より美味かつ丈夫、短期間で大量の収穫が可能、さらに、栽培に手間とコストがかからない新品種を求めて植物と対峙する仕事は「育種家(ブリーダー)」と呼ばれる。
本書で紹介される品種発見・改良の物語には、そうした育種家の努力はもちろん、生産者の偶然による発見や、人気品種の栄枯盛衰なども含まれる。
著者は一般財団法人食品産業センターに勤務する育種家。大学卒業後キリンビールに入社、同社の育種プログラムを立ち上げた(花部門)。
なお、ダイジェストでは「ナシ」の品種改良について取り上げている。

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