『天、共に在り』
アフガニスタン三十年の闘い
中村 哲 著 | NHK出版 | 260p | 1,600円(税別)


はじめに 「縁」という共通の恵み
序.アフガニスタン2009年
1.天、共に在り
2.ペシャワールへの道
3.内戦下の診療所開設
4.大旱魃と空爆のはざまで
5.農村の復活を目指して
6.真珠の水――用水路の建設
7.基地病院撤収と邦人引き揚げ
8.ガンベリ沙漠を目指せ
9.大地の恵み――用水路の開通
10.天、一切を流す――大洪水の教訓
終.日本の人々へ
アフガニスタン・中村哲 関連年表


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

2019年12月、アフガニスタンで医療・農業支援に携わっていた中村哲医師が銃撃され亡くなった事件は、現地や日本、そして国際協力に関わるすべての人に衝撃を与えた。
中村医師は、現地で難民の医療にあたるだけでなく、用水路など灌漑設備の建設に取り組み、アフガン復興に多大なる功績を残した。

本書は、1946年に福岡県に生まれ、2013年までの半生を綴った中村哲医師の自伝。
ふとしたきっかけから、パキスタン、アフガニスタンにおける医療に携わることになった中村医師。
現地の難民や、旱魃による被害で農業ができなくなった人々の悲惨な現状を目の当たりにし、彼らを救うため、現地の人々と協力しながら1,600本もの井戸を掘り、25キロにもおよぶ用水路を建設するという偉業を成し遂げる。
著者の故中村哲氏は、PMS(平和医療団・日本)総院長、ペシャワール会現地代表を務めた。
1991年よりアフガニスタン東部山岳地帯に診療所を開設し、98年に基地病院PMSを設立。マグサイサイ賞「平和と国際理解部門」、第61回菊池寛賞、第24回福岡アジア文化賞大賞など受賞多数。
なお、本書は「第1回 城山三郎賞」および「第4回 梅棹忠夫 山と探検文学賞」の受賞作である。

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