『ボクはやっと認知症のことがわかった』
自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言
長谷川 和夫/猪熊 律子 著 | KADOKAWA | 224p | 1,300円(税別)


1.認知症になったボク
2.認知症とは何か
3.認知症になってわかったこと
4.「長谷川式スケール」開発秘話
5.認知症の歴史
6.社会は、医療は何ができるか
7.日本人に伝えたい遺言


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

超高齢社会に突入したとされる日本において、深刻な問題の一つといえるのが「認知症」である。
厚生労働省の推計によると2025年には、高齢者の5人に1人、約700万人が認知症を患う。
そんな状況の中、2017年に、認知症医療・ケアの第一人者の精神科医が、自身が認知症になったことを公表した。

本書では、認知症の権威である長谷川和夫医師が自らも認知症を患い、患者の視点からわかったことも含め、認知症とは何か、周囲の人々が認知症患者にどう向き合うべきか、患者としていかに生きていくかなどを真摯に語りかけている。
とくに、患者を「何もわからなくなってしまった人間」として一括りにすることなく、一人の人間として尊重した上で、一人ひとりに合った、その人の立場に身を置いたケアである「パーソン・センタード・ケア」の考え方が広まるべきと訴える。
著者の長谷川和夫氏は、認知症診断の物差しとなる「長谷川式簡易知能評価スケール」を公表、また「痴呆」から「認知症」に用語を変更した厚生労働省の検討会の委員を務めるなどの功績がある精神科医。現在、認知症介護研究・研修東京センター名誉センター長、聖マリアンナ医科大学名誉教授。

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