『時間はどこから来て、なぜ流れるのか?』
最新物理学が解く時空・宇宙・意識の「謎」
吉田 伸夫 著 | 講談社(ブルーバックス) | 240p | 1,000円(税別)


はじめに 時の流れとは
1.時間はどこにあるのか
2.過去・現在・未来の区分は確実か
3.ウラシマ効果とは何か
4.時間はなぜ向きを持つか
5.「未来」は決定されているのか
6.タイムパラドクスは起きるか
7.時間はなぜ流れる(ように感じられる)のか


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

私たちは、日々当たり前のように、過去・現在・未来という「時間の流れ」を感じている。
だが、相対性理論以降の現代物理学によれば、時間は「流れていない」。時間の流れは物理現象ではなく、個々の人間の「意識」が作り出したものだというのだ。
では、現代物理学でいう「時間」とは何なのだろうか。

本書では、「時間とは何か」「時間は本当に過去から未来へ流れているのか」「時間が経つとはどういう現象なのか」といった古代から学者たちを悩ませてきた謎を、相対性理論、宇宙論、熱力学、神経科学などの成果をもとに解き明かす。
「時間は、外部から影響を受けることなく宇宙全域で一様に流れる」というニュートンの時間観は現代では否定されており、時間は流れておらず、「過去から未来への方向性を持った拡がり」という認識が物理学では主流になっているという。
著者は1956年生まれで、東京大学大学院博士課程修了、理学博士。専攻は素粒子論(量子色力学)。科学哲学や科学史をはじめ幅広い分野で研究を行っている。

※SERENDIP会員の方は本ダイジェストをこちらからお読みいただけます。