『椅子クラフトはなぜ生き残るのか』
坂井 素思 著 | 左右社 | 256p | 2,000円(税別)


1.なぜ椅子クラフツを取り上げるのか
2.椅子クラフツ生産はいかに行われているか
3.近代椅子はどのように変化してきたか
4.なぜ椅子をつくるのか
5.椅子に何を求めるか
6.生活文化の中の椅子
7.椅子の社会的ネットワークはどのようにして可能か
終.椅子からみる経済社会


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

日常のありふれたモノの中に、社会文化的に重要な意味が見出されることがある。たとえば「椅子」。
パイプ椅子のような無機質な大量生産の工業製品もあるが、多くの家庭や飲食店などのインテリアでは、木製で温かみのある、クラフト(手づくり)感のある椅子が好まれるのではないか。

本書では、機械化による大量生産の時代にも、椅子をはじめとする木製家具製造で小規模なクラフツ(工藝)生産が、生産を減らしつつも命脈を保っている理由に迫る。椅子のクラフツ生産は、労働集約的で非効率であり、機械生産に比べると「完璧」なものを作るのは難しい。
だが、そもそもクラフト生産された椅子には「社交活動を促進する」などの社会的な機能があり、人々から求められているようだ。こうした社会文化との関わりを考えることは、ものづくりの将来に大切な示唆を与えてくれるのではないか。

著者は、放送大学経済学教授。社会経済学、産業・消費社会論、クラフツ文化経済論を専門とする。著書に『貨幣・勤労・代理人 経済文明論』(左右社)など。


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