『「役に立たない」科学が役に立つ』
エイブラハム・フレクスナー/ロベルト・ダイクラーフ 著 | 初田 哲男 監訳 | 野中 香方子/西村 美佐子 訳 | 東京大学出版会 | 160p | 2,200円(税別)


明日の世界(ロベルト・ダイクラーフ)
役に立たない知識の有用性(エイブラハム・フレクスナー)
本書に登場する研究者たち


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

2020年6月、日本では「科学技術基本法」が改正され「科学技術・イノベーション基本法」が成立した。それによって、大学や研究機関には、社会の諸課題の解決につながるイノベーションを引き起こす「役に立つ研究」が推奨されることになる。
こうした科学研究をめぐる風潮は、日本だけではないようだ。

本書は、アインシュタインをはじめ多くのノーベル賞受賞者を輩出している「プリンストン高等研究所」の創立者と現所長による、それぞれ1篇のエッセイを収録したもの。いずれも、すぐには「役に立たない」基礎研究の重要性を強調し、学者が自らの好奇心に駆られ、想像力を駆使して行う研究が、後の「役に立つ」革新的成果につながると論じている。
とくに現所長のダイクラーフ氏は、短期的目標を重視する公的支援の方向に警鐘を鳴らし、基礎研究と応用研究のバランスがとれた科学政策であるべきと主張する。

著者のエイブラハム・フレクスナー(1866-1959)は、プリンストン高等研究所の構想と発展に携わり、1930年から1939年までその初代所長を務めた。ロベルト・ダイクラーフ氏は1960年生まれの数理物理学者で、2012年からプリンストン高等研究所の所長を務めている。なお、ダイジェストはダイクラーフ氏のエッセイを取り上げた。


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