『人はなぜ憎しみあうのか 上』
-「群れ」の生物学
マーク・W・モフェット 著 | 小野木 明恵 訳 | 早川書房 | 316p | 2,300円(税別)


1.社会がそうでない姿(および、そうである姿)
2.脊椎動物は社会に属することから何を得るのか
3.離合集散する社会
4.個々を見分ける
5.アリと人間、リンゴとオレンジ
6.究極的な国家主義者
7.匿名の人間たち
8.バンド社会
9.遊動生活
10.定住
11.パントフートと合い言葉
12.他者を感じ取る
13.ステレオタイプと物語
14.おおいなる連鎖


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

国家間をはじめ、さまざまな社会集団が対立し互いにいがみあうことは、現在に至るまで、歴史上頻繁に見られたことだ。長年にわたり民族同士が憎しみあい、解決が見出せないケースもある。
そうした対立が激化すれば、紛争や戦争に発展し、多くの人命が失われることになる。なぜ憎しみが生まれるのだろうか。

本書(上下巻)は、他集団や集団外の人々を敵視し、自分たちと区別する人間社会の成り立ちを、アリや類人猿などの生物界の習性との比較や、生物学、人類学、心理学などの知見をもとに解き明かす。
上巻では、国旗や国家などのシンボル、言語や特定のしぐさ・習慣といった、ある集団を他の集団と区別するための「しるし」が人間社会には存在し、そうした区別が固定概念(ステレオタイプ)と結びつくことが排除や対立につながると論じている。

著者は、スミソニアン自然史博物館研究員、ハーバード大学人類進化生物学部客員研究員。昆虫の生態を研究するフィールド生物学者であり、熱帯雨林の樹冠の専門家。


新規会員登録(無料)をすると本ダイジェストの続きをご覧いただけます。(2020年10月23日まで)会員登録はこちらから

既にSERENDIP会員の方は本ダイジェスト全文を下記から閲覧いただけます。

法人の会員はこちら

個人の会員はこちら