『「所有」とは何か』
-あいまいで複雑な「所有」がもたらす社会現象
Mine!: How the Hidden Rules of Ownership Control Our Lives
Michael A. Heller, James Salzman 著 | Doubleday | 336p


1.遅い者勝ち
2.現実の占有は一分の利
3.人がまいた種は自分が刈る
4.家はわが城にあらず
5.わが体はわがものにあらず
6.柔和なる者が受け継ぐものはほとんどない
7.所有権と世界の将来
エピローグ 所有権のルール幼児版


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

領土問題など国家間レベルから、日常的なモノの貸し借りまで、「所有」をめぐる争いやトラブルは絶えない。
資本主義社会では多くの「所有」はお金を払うことで可能になり、無料のものを「早い者勝ち」で所有することもできる。だが、現代の「所有」は、そんな単純なものではなくなってきているようなのだ。

未邦訳の米国書籍である本書は、「所有」に関するさまざまな社会現象を取り上げ、現代における「所有」や「公平」の概念が複雑であいまいになってきていることについて論じている。
たとえば「早い者勝ち」で所有できる原則が「行列代行ビジネス」などによって崩れてきており、むしろ「遅い者勝ち」になってきている。また、環境問題の解決に「所有」の概念を利用する動きが出てきているという。

著者のマイケル・ヘラー氏は、コロンビア大学ロースクールの不動産法担当教授。邦訳書に『グリッドロック経済』(亜紀書房)がある。ジェームズ・ザルツマン氏は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校ロースクールと、カリフォルニア大学サンタバーバラ校環境学大学院で、環境法学特別教授を務める。


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